ファクトチェック済み・根拠に基づく 獣医監修済み

犬 は パプリカ(ピーマン) を食べられますか?

更新 Jul 2026
概ね安全

パプリカは犬に与えてOK — 量に気をつければ安心な野菜

赤・黄・オレンジ・緑のパプリカやピーマンはいずれも犬に有害な毒性物質を実質的に含まず、獣医学的に安全な食材に分類されます。βカロテンやビタミンCなど抗酸化成分が豊富で、少量を間食として活用するのに適しています。種と白いワタ(胎座)はやや消化しにくいため取り除いてから与えましょう。大量に食べると軟便や嘔吐など軽い消化器症状が出ることがある点だけ留意してください。

重症度
中毒量
N/A
発症までの時間
N/A
治療
基本的に不要
共有に適しています

概ね安全に与えられます

パプリカ(ピーマン) は適切に調理し、バランスの取れた食事の一部として節度をもって与えれば、犬 にとって概ね安全です。

なぜパプリカは犬に安全なのか?

パプリカ(ピーマン)

パプリカ(ピーマン) — 犬.

ナス科(Solanaceae)の植物にはソラニンやチャコニンといったグリコアルカロイドが含まれる種もありますが、パプリカ・ピーマン(Capsicum annuum)の果実部分にはこれらがほぼ検出されないレベルしか存在しません。辛味成分のカプサイシンは含まれていますが、一般的なパプリカや甘ピーマンは品種改良によりカプサイシン含量が極めて低く(10 mg/kg未満)、犬の消化管を刺激するほどの量には達しません。そのため、通常の食事量の範囲内で与える分には中毒リスクはほぼゼロとされています。

パプリカには犬の健康を支える栄養素が複数含まれています。赤パプリカ100gあたりのビタミンC含量は約170mgと野菜の中でも特に高く、βカロテンは約1,100μgREに相当します。犬は肝臓でビタミンCを合成できますが、酸化ストレスの高い状態では抗酸化物質の補給が助けになる場合があります。また水分含量が約92%と高く、暑い季節の間食として水分補給を兼ねた軽いおやつになります。食物繊維も含むため、少量であれば腸内環境の維持にも寄与します。

種とワタは必ず取り除いて

パプリカの種と白いワタ(胎座)は消化されにくく、大量に食べると腸閉塞のリスクがあります。果肉だけを小さくカットして与えるのが基本です。

症状と経過

与えすぎたときに出やすい消化器サイン
  • 軟便・下痢
  • 嘔吐
  • 腹部の張り・ガス
  • 食欲一時低下
これらの症状を引き起こすすべての食品を見る

用量と重症度

犬の体重に応じた1日あたりの目安量を示します。おやつ全体のカロリーは1日摂取エネルギーの10%以内に収めるのが獣医栄養学の基本ルールです。

超小型犬(〜5 kg)
チワワ・トイプードルなど
1〜2切れ(約10〜15g)
1cm角程度にカット。週3〜4回まで
小型犬(5〜10 kg)
ミニチュアダックスフンドなど
2〜3切れ(約20〜30g)
生または加熱どちらでも可
中型犬(10〜25 kg)
柴犬・ビーグルなど
1/4個程度(約30〜50g)
主食の置き換えにはしない
大型犬(25 kg〜)
ラブラドール・ゴールデンなど
1/2個程度(約60〜80g)
毎日続ける場合は総カロリーに注意
過剰摂取ライン(目安)
体重1kgあたり50g超が目安
軟便・嘔吐のリスク
毒性ではなく消化器刺激として出現

パプリカを与えるときの実践ポイント

  1. 1

    種とワタを必ず除去する 果肉以外の部分は消化管への負担になります。調理前と同様に、種と白いワタをしっかり取り除いてから犬用に切り分けてください。

  2. 2

    初めて与えるときは少量から どの食材でも初回は小指の爪ほどの量(約3〜5g)から始め、24時間後に消化器症状がないことを確認するのが安全な導入方法です。

  3. 3

    生でも加熱でも与えられる 生のまま小さくカットして与えても問題ありません。蒸したり電子レンジ加熱してもOKですが、玉ねぎや香辛料と一緒に炒めたものは絶対に避けてください。

  4. 4

    乾燥・粉末パプリカは避ける スパイス用の粉末パプリカは凝縮されているため消化器を刺激しやすく、また塩分・添加物が含まれる商品もあります。生鮮品の果肉に限定して与えましょう。

  5. 5

    嘔吐や下痢が続く場合は動物病院へ パプリカ自体に毒性はありませんが、大量摂取後に繰り返す嘔吐・血便・元気消失が見られる場合は他の原因も考えられるため、かかりつけ医に相談してください。

こちらも試せます

パプリカと同様に犬に安全で栄養価の高い野菜を他にも取り入れてみましょう。

にんじん

βカロテンが豊富で食感が良く、歯のクリーニング効果も。低カロリーで肥満気味の犬にも向く

ブロッコリー(少量)

ビタミンKやビタミンCが豊富。ただし全体の食事量の10%以内に抑えること(イソチオシアネートの過剰を避けるため)

きゅうり

水分が95%以上で低カロリー。暑い季節の水分補給おやつとして最適

さつまいも(加熱済み)

食物繊維と消化に良いデンプン質が豊富。生では消化が悪いため必ず加熱して与える

よくある質問

赤・黄・緑パプリカで犬への安全性に違いはありますか?
色による毒性の差はありません。ただし栄養価は若干異なり、赤パプリカは完熟しているためβカロテンとビタミンCが最も多く含まれています。緑ピーマンはやや苦味が強く、好まない犬も多いです。いずれも安全ですが、栄養的メリットを重視するなら赤パプリカが最もおすすめです。
犬がパプリカを大量に食べてしまいました。すぐに病院へ行くべきですか?
パプリカ自体に犬に対する毒性はないため、よほど大量(体重5kgの犬で1個丸ごとなど)でなければ緊急性は低いです。種やワタを含めて食べた場合は消化器への負担が多少増しますが、多くの場合は経過観察で改善します。摂取後2〜3時間以内に繰り返す嘔吐、著しい元気消失、腹部の膨張がある場合は動物病院に連絡してください。
市販の野菜ジュースやパプリカパウダーが入った料理を犬が舐めた場合は?
少量舐めた程度であれば問題になることはほとんどありません。ただし市販の野菜ジュースには玉ねぎ・ニラが含まれるものもあり、それらは犬に有毒です。また塩分が高い加工食品も犬の腎臓に負担をかけます。犬に与えるパプリカは、必ず無調理の生鮮品か、塩・調味料を一切加えない素蒸しのものに限定するのが安全です。

出典と参考文献

  1. ASPCA Animal Poison Control Center — People Foods to Avoid Feeding Your Pets (aspca.org/pet-care/animal-poison-control)
  2. Merck Veterinary Manual — Toxicology: Plants Affecting Dogs and Cats, 12th Edition
  3. Deng P, Swanson KS. Gut microbiota of healthy and unhealthy pets: insights into dietary influences. Journal of Animal Science, 2020; 98(3):skaa010
  4. Pet Poison Helpline — Vegetable Safety Reference for Companion Animals (petpoisonhelpline.com)
Dra. Carmen Ortega

著者について: Dra. Carmen Ortega

獣医栄養士

種に適した食事と予防的給餌を専門とする獣医栄養学の認定者で、当サイトの食事ガイダンスの筆頭著者です。

完全なプロフィールを見る
この記事は役に立ちましたか?
共有